折りたたみ式自転車のいいところは、省スペースにできること。家の保管も楽だし、車のトランクにも積めて、輪行もカンタン。どこにでも置けて、持ち運べられるのが最大のメリットです。
しかし、折りたためることがそのままデメリットにもなりえまして、長い間乗っていると、フレームの折り曲げる箇所(クランプ)からパキパキと音がすることがあります。
中山はダホンの Mu P8 に4年近く乗って、累計で16000キロ以上走りましたが、2回ほど異音に悩んだことがありました。こういうとき、素人では正確にどこがどういう理由で音を鳴らしているのか分からず、放っておいても大丈夫か心配になりますよね?
そこで、「折りたたみ式自転車の音鳴り対策」を長尾さんに教えてもらいました。
「結論から言いますと、音鳴りしても心配は無用です。金属と金属が合わさっていれば、音が鳴るのはごく自然な現象なので」
「いや、そうは言っても、精神衛生上よろしくないじゃないですか。突然、パキーンってフレームが真っ二つになるんじゃないかと心配になりますよ」
「フレームにクラックがあればマズイですが、そうでなければそのまま乗っていても問題ないです」
「たしかに、溶接で相当に盛ってありますもんね」
「これまで、ハクセン鳩ケ谷で買ったお客さんでクラックが入ったケースは、僕の知る限りないですね」
「やっぱり、増し締めするのがいいんですかね?」
「外側からただ締め上げるんじゃなくって、いったんフレームを折って、内側のロックナットを緩め、それから外から締めていきますよ。あとは金属接合面をグリスアップするとか。この二つでたいてい音はしなくなります」
「僕のダホンもそれをしてもらって以来、音鳴りから解放されてます。他に原因はないんですかね?」
「軸となるシャフトがタテに入っているんですが、ここが原因であることも。ただ、細い部分なので、グリスガンでないと注油できないですね」
「ところで、同じ折りたたみ式でも、ダホンとTERNではクランプ形状がけっこう異なりますね」
「TERNのほうが、後発メーカーなので、そのへんの対策はしてきているようですよ。音鳴りはやや少ないような印象はあります。その代わりと言ったらなんですが、TERNはクランプが目立つんです。ダホンはわりと控えめなルックス。このへんは好みが分かれます」
「どっちも、折りたたみ式である以上、音鳴りの可能性はあると?」
「ありますね。それはもう宿命と思ってください(笑)。でも、増し締めとグリスアップでほぼ解決すると思えば、たいした心配ではないでしょう?」
「ええ、僕も現に毎年4000キロ走るのを4年間続けてますけど、何の問題もなく快調に乗れてます」
「増し締めとグリスアップって、4年間で何回しましたっけ?」
「これまでに2、3回ありましたかね。ここ1年はなにもしてない。まあ、僕がほとんど折りたたまないからかもしれないですが。輪行するのは年に数回なので」
「それも影響しているかも。折りたたむ回数が増えれば、当然増し締め回数は増えてしまいます」
「やっぱり、そうなんだ」
※ すでに4年乗った2010年式のDahon(ダホン) Mu P8。音鳴りはしていない。
「あ、言い忘れましたが、増し締めはちょっとコツがあって、力任せに締め上げるのはまずくって、折りたためなくなってしまうことがあります。この辺の力加減は、初めてだと難しいです」
「迷ったらお店で診てもらうってことですね」
「ですね。メンテナンスのコツはレクチャーしますよ~」
※DASHの納品準備で忙しい長尾さん
折りたたみ自転車&スモールバイクカスタム2015
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