最近、春ということもありまして ハクセン鳩ヶ谷は新しいメーカーさんとのお付き合いが増えており まして、次々に車種が増えております。
今回ご紹介する新しい取引先さんは「株式会社スマートコグ」 さんでして、Neo Cozma というチタンフレーム専門のフレームを扱っています。
生産自体は台湾製だそうですが、 扱っている国内の販売元がスマートコグさんなのです。 大阪に会社があります。
で、 今回ハクセン鳩ヶ谷のメカニックの長尾さんと小屋敷さんが試乗し てみたのですが、ふたりとも口を揃えて「めちゃくちゃ良かった! 衝撃を受けた!」と興奮しておりました。
この二人、ちょっとやそっとのバイクでは驚きもしないんですが、 その二人を狂喜乱舞させるバイクっていったい…。気になる…。
ということで、ロードフレームのNeo Cozma とクルーザーのOUTBOXをご紹介します。
長尾さんが目を輝かせている・・・!
まずはMTBのようなルックスのクルーザー、OUTBOXです。 カジュアルな服装で気軽に乗れるコミューターとして、 またツーリングバイクのベースとしてデザインされています。 まあ、見た目はいたって普通なんですがフレームはチタン。
チタニウムフレームの高弾性と優れた制振性が生み出す独特のシル キーな走行感を楽しんでもらえるバイク・・・ って公式サイトでは紹介されていますが、そのとおりだそうで、 小屋敷さんは「異次元の進みを見せる!むちゃくちゃよく走る!」 と歓喜していました。
独特のしなりとバネ感があるそうで、 クロモリのそれとはまた一味違うそうな。 完成車の価格は20万7千円とお高めではありますが、 それだけの価値があると力説していました。
フレームはUSA Elixxir社製Duralite Grade-9 (Ti-3AL-2.5V) チタニウムシームレスバテッドチューブを使用しており、 熟練溶接工によるダブルウェルディング(二重溶接) により溶接部の耐久性を向上させているんですって。
フロントフォークは専用設計のフルカーボンリジッドフォークを採 用。写真で見るとサスペンションのようにみえますが、 そうではなくリジッドです。
フレーム&フォークの総重量は1.7kgですので、 まずまず軽量仕様ですね。650B 47cスリックタイヤはオンロードでの走りを楽しむのに向いてい ます。というか、 フルリジッドのバイクなのでこれで山に行こうとは思わないでくだ さい。完全なるシティークルーザーです。
ディレイラーは全米ナンバーワン BMX & MTBコンポーネントブランドBox Component社のカーボンコンポジット製Box One 11-Speedを採用しています。耳慣れないし、 見たこともないコンポーネントですが、 逆にそれが興味をそそりますね・・・。
独創的な機構でスーパーワイドレシオに対応。Taipei Cycle Show 2017 でD & I Best Awardsに輝いたディレィラーだそうな。さらに、 親指のみで操作できるPush & Pushシフターを装備しています。
で、もうひとつはNeo Cozma。こっちはフレーム単体での販売なんですが、 長尾さんも小屋敷さんも完成車を試乗してみて、「これもすごい! !!お値段もすごいが、ものが違う!」と大絶賛していました。
Neo Cozmaの素材はチタンで、 材料加工より200以上の工程を経て熟練の技術者により1本ずつ 丁寧に仕上げているそうな。
チタンと一口にいってもレベルとか種類がいろいろあるそうで、 まずアクセサリーや食器などに使用されているチタンの殆どは純チ タンです。 純チタンは軟鉄並みの強度しかないのでフレームにには不向き。
そこで、様々な(アルミとかバナジウム) 異種金属を混ぜて強度を増した Ti-3Al-2.5V (通称3-2.5チタン) や Ti-6Al-4V (通称64チタン)を作りました。なんでも、 鋼鉄を凌駕する抗張力、耐疲労性、高弾性、鉄の2/3の低比重、 優れた制振性、 共振の抑制特性や圧倒的な耐食性など数々の優れた機械的性質に加 え100%リサイクルできるエコロジカルな金属でもあります。
そんなチタンで理想をフレームを製造するために試行錯誤したそう ですが、そのへんの詳細は公式サイトを御覧ください。
※これがポリッシュモデル
※こっちがマットモデル
※マットも渋い!
Neo Cozmaのユニークな点は「スパイラルチタン合金チューブ」 でできているというところ。 ただのチタンのチューブではなくって、 チタン合金シートを高精度で螺旋状に溶接して製造しています。 溶接ビード部分が補強となるため同素材のシームレスチューブを凌 駕する強度を持つんだとか。
Ti-6Al-4VとTi-3Al-2.5V製がありNeo Cozmaではダウンチューブ, シートチューブ及び右チェンステーに使用されます。Ti- 6Al-4Vスパイラルチューブは、 外側を更にポリッシュして溶接痕を完全に消して肉厚が0. 71mmとなっています。まー、 びっくりするような製法で持って肉薄のチタン加工を実現している わけですね。こんな製法が存在したことがすでに驚きです。
ちなみに長尾さんは「高くて買えないけど」と前置きした上で、 欲しいのはポリッシュ加工のフルチタン(フォークもチタン) のフレームだそうな。お値段50万円(笑)。 なかなかおいそれと買えるものではないですね・・・。
小屋敷さんが気に入ったのはOUTBOXのクルーザーのほう。 通勤用、普段の足として「 20万円は安くはないがぜんぜんありだな・・・」 とほくそ笑んでおりました。 もしかしたら個人的に買うかもしれません(笑)。
なお、残念ながら現物はハクセン鳩ヶ谷には置いてありません・・ ・。が、どんなバイクかは語れますし、 カタログも用意しておりますので、いつかはチタン! と虎視眈々と狙っていらっしゃる方は長尾さんか小屋敷さんを問い 詰めてみてください。