最近のロードバイクのコンポーネントは11速が当たり前になってきています。シマノを例に取れば、以前はデュラエースとアルテグラだけだったのが105も11速化しているので、105完成車をいま買うとほぼ間違いなく11速化状態でゲットできます。
ただ、11速化の波が来る以前からロードバイクに親しまれている方の中には、「まだ自分のバイクは10速なんだよね…」という方もいらっしゃるでしょう。
「一気に11速化するのはコスト的にキツいから、
徐々に11速化できないかなあ」
というお悩みは私もちょくちょく周囲から耳にします。
たとえば10速のロードバイクのリアディレイラーだけを11速化
したとして、ちゃんと動作するのか?
問題はないのかを
長尾さんに確認してみました。
「結論から言いますと、やってはダメです。ちゃんと動作はしませんよ」
「やはり…。なんとなくダメな気はしていましたが、ダメなんですね」
「シマノの105を例にしますと、5700系(10速)と5800系(11速)とでは、STIレバーの引き量の企画が抜本的に一新されています」
「つまり?」
「
よって、5700系のSTIで5800系のリアディレイラーの操作はぜんぜん合わないってことになります。仮に取り付けたとすると、ロクにギアチェンジもできないですよ」
※こちらはスラムのリアディレイラー
「ということは、リアディレイラー>フロントディレイラー>STIって徐々に交換していくって考えはNGっすね」
「まあ、フロントディレイラーはなんとか動くとは思いますが、あまり美しいやり方ではないです。ギア回りを交換するなら、全部一気に行うべき」
「じゃあ、10速のロードバイクを11速化したいならどこからどのように進めるのが定石でしょうね?」
「ブレーキもしくはクランクからの交換をススメますね。ギア周辺と違って、11、10速関係なく交換できてしまえますので」
「なるほど。
そういえばコンポーネントって進化するたびにブレーキ性能がアッ
プするって言いますしね」
※10速(5700系)の105
「ブレーキ交換しただけでは見栄えが変わらないので、どうしても後回しにされがちですが、個人的にはまずブレーキ交換からすべきだと思いますよ。交換した恩恵もすぐに感じることができますしね」
「細かいことなんですけど、ブレーキを前後一式交換するとして、ブレーキワイヤーは古いものをそのまま使っても良いんでしょうか?」
「古くなっていなければ大丈夫ですが、ワイヤー類はコンポーネント交換時には新しくした方がいいとは思います。命を預けるパーツなので」
「シフターとブレーキ、クランク以外の話をすると、スプロケットやホイールを11速化するとき、一緒に11速対応させないとダメっすよね」
「
ですね。スプロケットだけやる…というのはNGです。11速化が可能なホイールかそうでないかでコストがちょっと変わってきますね~。もし自分のホイールが11速対応可能かどうか分からなければ、お店で調べてもらうのがいいでしょう」
「ラジャです。あと、チェーンも11速と10速で違うんでしたっけ」
「違いますね。まず幅が違うので、10速のスプロケットに11速のチェーンとか、その逆のパターンで使ったらダメです」
「うーん、10速のロードバイクを徐々に11速化するのって、何気にカンタンではないですねぇ」
「限られたお小遣いをやりくりしてカスタムするわけなので、徐々に行いたいって気持ちはわかります(笑)。でも、個人的なアドバイスとしては、コンポーネントの交換は全部を一度にやってしまうこと」
「やはり、行き着く回答はそれになりますか」
「ちまちま交換していくと、結局その都度で作業料金がかかりますし、入院期間が長引いて乗れない時間が増えますしね。なにより、11と10速を混ぜた状態で乗っていると違和感が拭えなくて、存分に楽しめないですよ。コンポーネント載せ替えは一気交換をオススメします」
「はーい」
※こちらは11速(6800系)アルテグラのリアディレイラー
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