自転車マガジン by ハクセン鳩ヶ谷

「初日は午前中をかけて佐渡島まで移動しましたが、その後は加茂湖を周遊したんでしたっけ？」

「うん。ただ、加茂湖の予備知識がなく、どーしたもんかと悩んでいた時に男子高校生がいたんで、声をかけてみたんだ」

「高校生男子？」

「地元の少年ね。そしたら、なんと、一緒に加茂湖を案内しますって申し出てくれたの。感激しちゃって、お言葉に甘えて案内してもらったわけ。道に詳しいから、地図に載ってない加茂湖のコースを教えてくれて、いろいろおしゃべりしながら」

「地元の人との交流も、自転車ツーリングの醍醐味ですよね」

「加茂湖を1周するとだいたい20キロくらいなんだけど、半日ガイドをしてくれたので、バイト代も払ったよ」

「思いがけない出会いだ」

「で、道の駅で休憩してからその日の宿に向かった。きらくグリーンホテルってとこで、いい宿だったよ」

「初日はそれで終了…と。翌日から本格的に周遊ライドが始まるわけですね。どっちの方向を目指したんですか？」

「島は基本的に時計回りで走るのがいい。というのも、左側通行だと海が見えるのは左側でしょ？反時計回りだと、海が見えにくいわけ」

「なるほど、たしかに。海を見ようと思えば、おのずと時計回りの走り方になりますね」

「で、まあ走り始めたんだけど、一つ困ったことが起きてさ…」

「ん？トラブル発生？」

「コンビニが全然なくって、補給食をまったく確保できないのよ。自販機は時々見かけるんだけど、食料が手に入らない」

「そんな何もない場所なんですね…。一歩間違えたら、ハンガーノックになりそう」

「なんとかラーメン屋を見つけて難を逃れたけど、あれは危なかった…。教訓は、佐渡を走るときはしっかり補給食を街中で確保しておく、だね」

「メモメモ…」

「あと、ボトルは2本体制で行こう。自販機があると言っても、都合よく見つかるとは限らない」

「承知しました」

「くわえて、佐渡島ってトンネルが頻繁にあるね。しかも、都会のトンネルのように照明が煌々と寺されているわけじゃないので、かなり暗い。前後のライトは必須だね」

「昼間しか走らないから、ライトは不要ーーーーとか言ってたらダメですね」

「初日はアップダウンはさほど激しくなく、割と快適に走れた。で、2日目の宿がかもめ荘というこじんまりした旅館」

「この日は結局、何キロ走ったんでしょう？」

「61キロ。小木って街で泊まったよ。たらい舟が有名なので、ちょっと早めにライドを切り上げて乗ってみたりした。自分でも漕いでみたけど、船頭さんのようにうまくは漕げないものだね」

「たらい舟、佐渡のアイコンですよねー。で、3日目はどんなライドになりました？」

「フッフッフ・・・、続きは後編で〜」

「ギャフン！」

 

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