ロードバイクのブレーキにはリムとディスクがありますが、ディスクブレーキの場合も当たり前にブレーキパッドがあります。
ディスクブレーキのパットって、なかなか手にとって眺めることがないと思いますが一体どんな素材でできてるんでしょうか?
そしてどんな素材でできていて、特徴は何なのか、ハクセン鳩ヶ谷メカニックの長尾さんに聞いてみました。
「ディスクブレーキのブレーキパッドは完成車とか一般的な場合にはレジンが使われていることが多いです。ハクセン鳩ヶ谷でも大半のバイクはレジンですね」
「レジンってのはひとつの種類だけ?」
「レジンパッドはオーガニックとか、セミメタリックパッドと呼ばれることもありますね。樹脂で固められた複合繊維なんですよ。金属よりは柔らかい素材です」
「どんな特徴なんだろう」
「パッドが温まる前から安定した摩擦力を発揮するので、初期から効きやすい特徴があります。で、もうひとつメタルパッドも」
「その名の通り、金属製のブレーキパッド?」
「そう。金属の粒子を融合させて作られてます。メタルパッドは自動車やオートバイでは一般的ですね。自転車より過酷なコンディション下で安定した高いパフォーマンスを発揮できるのが特徴」
「価格的にはどうなんですか」
「レジンは比較的安くて、繊維系パッドなのでディスクへの攻撃性が少ないです。あと、鳴きにくい。ただし、デメリットもあって吸水性があるため制動力は変化しやすいですね」
「攻撃性って表現をするんだ…」
「パッドがローターに与える影響のことですね」
「大半がレジンが使われているということですが、メタル系は?」
「金属系パッドだと温まるまではレジンより効きは劣ります。でもいったん温まればコントロールしやすいし、金属含有量が多いのでフェードもしにくいという 特徴があります」
「すごいじゃないですか」
「雨の日でも水を吸わないから制動力は安定してますよ。パッドの寿命も比較的長めです」
「逆にメタルのデメリットってあるんですか?」
「まずレジンよりは価格は高め。あと、パッドもローターもお互いが金属なので、音鳴りやすかったり、レジンよりもローターへの攻撃性は高くなっちゃいます」
「あー、なるほど。だから一般的にはレジンの方が使われているわけだ。ロードバイクとマウンテンバイクでは、使われるパッドの材質が変わったりしますか」
「マウンテンバイクはメタル系が多いです。翻ってロードバイクだとほぼレジンですね」
「ローターはバイクの種類に関係なく金属じゃないですか。でもパッドは繊維だったり金属だったりする。ってことは、ローターは何を使っても自由で、パッドは自由に交換していいんですかね」
「いや、細かくいうとそうではなく、シマノにはレジンパッド専用のローターがあります。それをメダルパットで使ってはだめ」
「ややこしい・・・見た目では分からないですもんね~」
「分からないです。なので不安に思うならショップやメカニックに頼った方がいいでしょうね」
「一般的なロードバイクやグラベルシクロクロスのディスクブレーキの場合ブレーキパッドの材質はレジンで考えればいいですか」
「それでいいですよ。レジンの方がローターへの攻撃性が低いし、価格も安く、使い勝手は良いです。中山さんの乗っている LAPIERRE、 パッドは当然レジン製です」
「そういえば、長尾さんは以前高級なマウンテンバイクを所有してましたけど、あれはメタル系バットを使っていたですか」
「いいえ、レジンですよ。あと、余談ですが自動車のブレーキパッドは金属であることが多いですけれど、セラミックカーボンローターというカーボン製があったりします」
「カーボンのローター?自動車の世界はそんなのがあるんですか」
「あるんです。本格的なレースの世界で使われています。バネ下重量の軽減、安定したブレーキ性能を発揮するんですって。ただし、高温時の連続走行時には摩耗が早いという弱点もあるので、一般的に使われているわけじゃないですが」
「長尾さんはセラミックカーボンローターを使ったことがあるんですか」
「あるわけないでしょう~~~~~w。車は好きだけど愛用しているのは一般的なローターです。はい」
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