自転車の世界でよくわからないものの筆頭が、「ケミカル類」ではないでしょうか?
グリスやパーツクリーナーだ、ルブだ、なんだかんだと多種多様ありますけど、どれを、どこに、どれくらいの頻度で、どれくらいの量を塗布するのがよいのか、誰もハッキリ教えてくれないので、なんとなくのフィーリングでやってしまっている方も多いことだと思います。
かくいう私(中山)もそんな一人。
今回は、『グリスって、どこにどれくらい挿せばいいのか』について、スタッフのTさん(シャイなおじさん)に訊いてみました。
「グリス類って、そんなにひんぱんに挿すものじゃないですよ」
「そうなの?適度にしっとりしてたほうが、パーツの動きが滑らかになるような気がするんですけど」
「うーん、初心者の方はつい必要以上にかけすぎて、ベタベタにしてしまうことがあるんです。かけすぎるとホコリや砂を拾ってしまって、逆効果になってしまう」
「ボクも、自転車を始めたばかりの頃って、チェーンオイルをべったりかけて、拭かずに載ってましたよ。せっかくつけたオイルを拭き取るなんて、もったいないじゃん?って思って(笑)」
「あははは、ありがちですね(笑)」
「グリスって、BBとかハブとかのベアリングに使われているじゃないですか。ああいうモノをディレーラーとかブレーキの可動部分に使ってもいいものなんでしょか?たとえばスプレーグリスとか」
「いや、使わなくていいですね。ブレーキ、ディレーラー類は基本的にメンテフリーでいいですよ。調子がおかしくなてきたとき、ショップで見てもらえばいい。それにしたって、たいした頻度じゃ起きないです。だって、今のパーツはどれも快適に動いてくれますから」
「そうなんだ~」
「乾拭きさえしっかりしていればいいですよ。ヘタにオイルやグリスをかけまくってベタベタにするのではなく、日頃からパーツやフレームをキレイに乾拭きするクセをつける。これをするだけでOKだし、むしろこっちをしっかりやってほしいですね」
「さっきバイクを組んでいるとき、クイックのシャフトとフロントフォークにグリスをつけてましたよね?あれはなぜ?」
「あれは動きを滑らかにするためじゃないんです。シールドベアリングなので、グリスは挿さなくても大丈夫ですし。クイックレバーは錆びると抜きにくくなるので、防錆対策として塗ってます。フロントフォークも同じ理由です。あとは、水やホコリの侵入を防ぐ意味合いもありますね」
というわけで、グリスって無闇矢鱈に挿すものではないそうです。なんか拍子抜けしてしまいました。
ぜんぶわかる! 最新ロードバイクメンテナンス
コマメに乾拭きをして、ちょっと操作感が重いとか、違和感を感じたら即ショップに持ち込んで診てもらう。これで十分だそうですよ!そういう意味でも、持つべきは『気軽に相談できるお店』ですね。
サイクルショップ ハクセン
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