リアディレーラーは使っているうちにワイヤーが伸びたり、緩んだりするものです。
緩んでいると、変速がしにくくなり、チャリチャリと音がしたり、チェーンがうまくスプロケットの歯に噛み合わなくなります。
この現象、当然ながらフロントのディレーラーにも起こります。メカ操作の頻度は少ないので、比較的伸びにくいですが、やはり使ってれば伸びてきますので、調整が必要。
で、フロントディレーラーの調整って、どこをどういじってやればいいのでしょう?
メカを見ると、プラスネジが二つ上を向いています。他にネジらしきものは見当たりません。
「ここを締めたり緩めればいいのか…?ここしかないよな…?」と思うのですが、知らない部品をイジるのは勇気が要りますので、調整前に長尾さんに確認してみました。
※このネジを回せばよいのだろうか…?
「フロントメカがチェーンに接触して、走ってるとチャリチャリ音がするんです…」
「どれどれ…うん、確かに当たってます。ワイヤー調整をしましょう」
「2個あるネジを締めればいいの?どっちを締めればいいんだろ?」
「いやいやいや、それはいじっちゃダメ。チェーンが落ちちゃいますよ」
「え、なんで?ここじゃないの?」
「そこはフロントディレーラーの移動幅を調整するためのものなんです。ここは無関係なんですよ。でも、ほとんどのお客さんがここをいじりたがるんですよね(笑)」
「そりゃあそうでしょう。だって、さもいじって欲しそうに上を向いているじゃないですか(笑)。それにしても、ネジが2個あるのはなぜ?」
「内側がインナー幅の調整で、外側のがアウター幅の調整をするんですよ」
「そうなのか・・・。じゃあ、ワイヤーテンションはどうやって調整するの?」
「ワイヤー調整はヘッドチューブそばにある調整ネジでやります。BOMAのリファールの場合、前からみて時計回りに回すとテンションが張ります。テンションが上がるってことは、中のネジが外に出てくる、イコール、ワイヤーを引っ張るって理屈ですね」
「あ、これって回せるんだ・・・(知らなかった)。すべてのロードバイクのフロント調整はここでするの?」
「いや、バイクによりけりです。例えば、あっちにあるFUJIのバラクーダですと、ハンドル周りではなくて、ボトムチューブに台座があります。前から見て、反時計回りでテンションが上がります」
「ん?リファールとは逆?こういうのって統一されてないんですか?ややこしいんですけど…」
「うーん、パーツによるのでそこはいかんともし難いです・・・。回しながら手の感触で感じ取れますよ。ただ回すだけじゃなくて、回しながら”ワイヤーが引っ張られているな”とか”緩んできたな”って触診しながら感じてください」
「はーい。じゃあ、フロントディレーラーそのものは素人は手を出すべきではない?」
「そうですね、ワイヤー調整しても改善されなければ、お店で診断してもらうことをオススメします。構造を理解していない限り、間違ってもフロントメカのネジを回さないようにしてくださいね!」
Sports Bicycle Start Book 2015
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