ホイールのニップルに、ルブを注す意味はあるのか?

チェーンにルブを注してメンテナスするのは、自転車好きであれば常識です。


では、ホイールのスポークの根本のニップルに注す意味はあるのでしょうか? 中山は、先日とある海外サイトで、”ニップルにルブを注す”姿を目撃しまして、「初めて見たぞ……。いったいなんのためにやっているんだ?」と訝しんだのです。


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そこで、その意味を長尾さんに教えてもらってきました。





長尾さんの解説を一言でいうと、「ニップルを外しやすくするため」です。フレ取りとか、スポークの交換の際、ニップルを回しやすくするためにルブを注すという流儀というか、やり方があるんですって。

そんなメンテナンス法を知らなかった私は、「じゃあ、全員がやればいいじゃいないですか? というか、一度もそんなメンテ法を聞いたことがないんですが」と重ねて聞きますと、「ニップルが回しやすくなる反面、緩みやすくなる弊害がある」とのこと。よって、長尾さんはニップルにはルブを注さない派でして、ハクセン鳩ヶ谷でもそのやり方を貫いています。



長尾
ふつう、お客さんはニップルが緩むなんて想像していません。そんな中で、緩んできてしまったら最悪事故につながるかもしれません


え!!!そうなんだ。それは知らなかったけど、カッチカチになって緩められないなんてことはないんですかね。


長尾
ニップルにルブを注さずとも、問題なく締め外しはできますので、ハクセン鳩ヶ谷では意図的に注さないでいます。もちろん、自分のバイクにもしないですよ


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うーむ、ニップルにルブを注すってこと自体も知りませんでしたが、挿すと緩みやすくなってしまうということも気づけませんでした。意味もわからず、見た目だけで他の人の真似をしてしまうのは危険なようです。


長尾 
ニップルにルブを注してもいいんですよ。いいんですけど、緩むことを理解できて、緩んできたら自分でフレ取りできる技術があればかまいません。実際、ルブを注す方もいらっしゃいますしね


なるほど。それなりの技術と知識がある方であればやってもOKなんですね。よって、「ホイールを触るのは苦手」とか「ホイールメンテナンスはお店にお任せにしている」という方は、ホイールに関しては下手にいじくろうとせず、素直にメカニックさんに頼んだほうがよさそうです。



長尾 「ちなみに、納車前は一台一台、すべてホイールのフレチェックと調整をしています。安いホイールはスポークのテンションがぶれやすく、調整に手間取りますね。高価なホイールになればなるほど、一発でばしっとテンションが決まるものなんですよ。目視ではわからないレベルの誤差ですが、やはり高いホイールはそれだけの理由があるんですね



というわけで、メンテナンスは基本お店にお任せしたいという方は、ニップルにルブを注す必要はないというお話でした。




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