サンツアー(Suntour)というコンポーネントは何者なのか

自転車のコンポーネントといえば、シマノ、カンパニョーロ、スラムでほぼほぼすべてをカバーしていますが、たまーに、「サンツアー」というコンポーネントを見かけることがあります。


見た目の印象では、昔っぽいデザインと形状なので、それなりに年代物なのかなという気はしますが、サンツアーとはいったいどこの会社で、まだ存在するのか。どんなコンポーネントを作っている会社なのか。


長尾さんにその辺のお話しを聞いてみました。



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サンツアーとは何者なのか・・・






サンツアーで検索すると、すぐにウィキペディアと公式サイトが見つかります。
どうやら、今も存在する会社のよう。


まずはウィキペディアの情報を紐解いてみますと・・・
長いので端折りながら抜粋しますと・・・


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1.昭和20年代末、東京の岩井製作所が発売した外装3段の変速機が元々のDNA。


2.しかし、1957年(昭和32年)末に岩井製作所が倒産すると、前田鉄工所がリアディレイラーとサンツアーブランドを引き継ぐ。



3.1990年代にマエダ工業が経営危機に陥る。



4.2014年に、栄輪業の略称「SR」と「サンツアー」ブランドが合体し、台湾のブランドとして使われるようになる。<<今ココ


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※長尾さんの私物です




つまり、今現在は台湾ブランドになっているようですね。名称は「SRサンツアー」です。サンツアーの日本語サイトは、ライトウェイによって運営されていますが、あまり目立った情報はないようで。。。

なお、いまサイト上で扱っているのは、サスペンションフォーク、クランク、シートポスト、ボトムブラケットだけのようです。リアディレイラーとか、コンポーネントパーツは取り扱っていないですね。



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※傷はついていますが、保管状態は良好




なお、長尾さんはサンツアーの「シュパーブ(Superbe )」のコンポーネント一式を所有していて、大切に保管しているそうな。



工業製品としての美しさが完成されていて、非常に美しいです!」とのこと。


そんな美しさを誇るサンツアーがなぜコンポーネントの世界で生き残れなかったのか・・・いろんな説があるでしょうが、長尾さんによると、個人的な意見ですが、と前置きしつつ、「ビーストという電動変速を出してから、迷走が始まったような・・・」だそうです。


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※キャリパーブレーキ




ビーストとは、80年代に登場した、今は存在しない電動式のフロントメカです。モーターではあるものの、モーターで直接ユニットを動かすのではなく、モーターでガイドレールを制御することでギアを動かすとかなんとか…


長尾さんの言葉での説明ではまったくメカニズムがイメージできませんでした(笑)。とにかく、当時は画期的な機構だったのでしょう。ただ、時代が追いつけなかったのか、ほとんど普及することはなかったんですって。


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※ニヤニヤが止まらない長尾さん(左)


そんな昔話をしている長尾さんはえらく幸せそう。もしかすると、「シュパーブ(Superbe )」でバイクを組むことがあるかもしれません。





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