リムブレーキに比べて、油圧ディスクブレーキは素人がメンテナンスの手をなかなか出しにくいものです。エアが噛むのではないか?という不安がある方もいるかもしれません。
そこで、ハクセン鳩ヶ谷メカニックの長尾さんに「油圧ディスクブレーキは縦に置いても問題ないのか?」を確認してみました。
「結論から言うと、縦置きにしてもエアを噛む心配はないですよ」
「お、そうなんですね。私は自宅で縦置き保管しているので、ちょっと気になっていたんです」
「自転車の場合、基本的にエアは入っていないですし、逆さまにしたり縦にしても入り込むことはまずないです」
「縦置きにして保管することもあるし、輪行するときにどうしても逆さまにすることもありますもんね」
「そうです。自転車はいろんな方向に傾けるのが前提に作られておりまして、そうなってもエアを噛まないように設計されています」
「ならば安心だ」
「ただ、自動車やオートバイだとそうはいかないんですけどね」
「え、なんでですか?」
「車とオートバイの場合、逆さまとか縦にするシチュエーションがまずないですよね?リザーブタンクというのがあるんですが、そこには少しだけエアは入っているものでして、逆さまにするとエアは入ってしまうでしょうね」
「まあ、事故とかでひっくり返らない限りまずその可能性はないですけど」
「そうなんです。逆さまにする前提がないので、そのように作られているわけです」
「自転車にはリザーブタンクはないですよね」
「ないですね。そういう構造ではないので」
「ちなみに、オイルを入れていくときって、空気がどうしても入り込んでしまいそうなんですが」
「なのでそうならないよう、フレームをコンコンと揺らしたり押したりして途中に入り込むエアが残ったままにならないよう注意してますよ」
「ふつうの人でもオイル交換ってできますかね?」
「できますよ。シマノなどのマニュアル通りに行えば、基本的にはどなたでも可能にはつくられていますので」
「エアが噛んだ状態だと、ブレーキのタッチにどんな影響があるんでしょう?」
「利きが悪くなりますね…なぜエアが入っているとタッチが悪くなるかの解説は長くなりすぎるので割愛しますが、とにかくタッチが変な感じになるので、そうならないように…」
「年1回の交換をすれば問題ない?」
「年に1度もやらなくてOKです。乗り方にもよりますが、1~2年のサイクルで交換すればいいでしょう。ブレーキパッド交換とか、何かの作業のついでに頼めば1回で終わって効率が良いですよ」
「はーい」