ホイールの振れ取りと素材の関係について

ホイールを使っていればいつかどこかで(個人差はあれど)振れが発生します。
 

ふつうに使っていればそうそう激しく振れてしまうことはないんですが、それでもやはり起きるときは起きてしまうものです。

 
振れ取り台がないとなかなか作業はしにくいものなので、一般ユーザーさんが身に着けなくても大丈夫なスキルではあります

 
どーやって作業しているのか、スポークの素材と振れの発生の関係について長尾さんに教わってみました。



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「ホイールは使っていればフレてしまう・・・これは宿命なのでどうしようもないですよね?」


スポークテンションが緩んでしまうのは、使っていれば避けられないです。でも、いくらでも調整できるので怖がる必要はないですね


「基本的な質問ですが、 スポークテンションは勝手に締まることはないですよね?」


そうです。自然の摂理で緩むほうに振れは発生します。よって調整は”締める”作業ではありますね



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「そのままの上体で放置するのはやはり、よくはない?」


ブレーキシューに当たってしまうこともあるし、場合によってはスポークが折れてしまうリスクもあるので、見つけ次第修正してあげましょう


「どういうふうに振れの箇所を発見しているんでしょ?」


台にのせて回して振れが生じている箇所を特定します。リムとブレーキシューとの隙間の距離を確認してください


「はいはい」


で、そこと逆側のニップルを締める。基本的な作業はコレの繰り返し


「なるほど、ニップルには1サイズじゃなくて違いがあるから、工具もそれに合ったものを選ぶ必要はありますね?」


ですね。精度の高いものをつかってください。合っていないとナメてしまうこともあるので
 

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「振れの箇所を特定して、締めていく…のを繰り返せば一丁上がりですかね?」


いや、調整したら1回スポークを手のひらでグイグイっと握り込んで、馴染ませましょう


「それはどんな意味が??」


なじませている…んです。これをすると、再度振れが生じるので、もう1回振れ取り作業をしてあげます


「けっこう面倒というか、時間のかかる作業ですね…」


ハクセン鳩ヶ谷では納車前に全部チェックして触れをなくした状態でお納めしてますよ



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「ちなみに、スポークの素材ってアルミとかステンレスとかカーボンとかありますが、振れって材質に関係なく起きるものですか?」


起きます。そこにとくに大きな差はないと思ってください。ただ、メカニック目線から言うとアルミのスポークは締めにくい…ってのはあります


「それはナゼ?」


単純に回しにくい、硬い、ってことです。もちろん、どんな素材でもちゃんと調整はできますが、やりやすい・やりにくいの比較のうえでってことです


「いつも振れ取り作業、お疲れ様です~」


 
 
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